からしれんこん

クソ腐女子オタクの雑記。パーソナルなことはnoteで https://note.com/yu_kazokku 

愛ほど歪んだ呪いはないと思っているオタク、前知識無しで映画『呪術廻戦0』を見に行くの回

 

こんばんは、しがないオタクです。好きなおにぎりの具は梅干しです。

先日youtubeでゲーム実況を見ていた時、ひとつの広告が目に入ってきました。

 

youtu.be

 

おお、今話題の呪術廻戦じゃん。となり、珍しく飛ばさず見ていたのですが、唯一知っているキャラクターだった五条悟が1:30あたりでこう口にしました。

 

これは自論だけどね――愛ほど歪んだ呪いはないよ。

 

 

なんか自CPの話してる時の私みたいなこと言っとる?!?!?!

いや攻の濁りのない真っすぐな愛情は受にとっては呪いと同義じゃないですか………えっ、五条悟も隣にいるだけで幸せで首が絞まっていくようなふたりが好きなん? 気が合うじゃん………

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ということで、気が合ったオタクとして一切原作を知らないまま観に行ってきました。

原作読んでなくても単体で楽しめるよ! とフォロワーから情報を貰ったら、そりゃ愛と呪いのフィロソフィーは感じておきたいじゃないっすか! みたいなノリだったんですけどね。まんまと爆泣きしましたね。

すっごい濃い「愛」の話だったなぁ………と一日経ってもしみじみしているので、知らないなりに感じたこと書いておこうと思います。乙骨………(大ロス)

 

  ■

 

※ここからは映画の激しいネタバレと原作に基づかない自己解釈を多分に含みます。

筆者の呪術の知識は映画見てる最中に「なつゆじゃなくてげとうだったんだ………」と言い出すレベルなので、嫌な気配を感じたらブラウザバックしてください。

 

jujutsukaisen-movie.jp

一応映画を見る前に、公式サイトの登場人物とあらすじを確認しました。 f:id:ykjkkk_p:20220117214009j:plain

五条と夏油で伏黒と虎を育てている幸せ家族生活みたいな話だと思い込んでいたため、夏油が敵側で見る前に一回ひっくり返った。pixivとTLの斜め読みで歪んだ知識を構築していた最悪オタク。

っていうかパンダと狗巻くんと真希さんは見たことあるけど乙骨くんは映画の予告出るまで見たことなかったんだよな……えっ、本編にはいないキャラ? 映画で死ぬのか……? と見る前から不穏を感じつつも、この時は五条悟の発言にワクワクしているクソ腐女児しかいなかったんですよ。愛は歪んだ呪い!キャッキャ!

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視聴後オタク、純愛の眩さに耐えきれず思わずサワムラー呼びそうになりましたね………サワッ!サワムラッ!

ちゃんとジャンプ漫画文脈だった……そうだな、友情も愛情も呪いも、自分の糧として希望に変えて前に進まないと……オイオイ五条悟………………こんな甘酸っぱい物語ご提供されると思わなかったんだよオタクはよ……………と、天を仰ぎながら映画館を後にしてしまった………

 

で、まあ、ここから真面目に感想を話すんですけど。

期待した角度とは確かに違ったけれど、「愛ほど歪んだ呪いはない」というワードを宣伝PVに組み込みたくなるの非常にわかるな……という気持ちでした。

というのもメインはもちろん乙骨と里香ちゃんなんですけど、五条と乙骨、乙骨と狗巻真希さんパンダ、五条と夏油、夏油と一派たち……と、色々な形の「愛」が出てくるなと思って。んで、そのすべてが優しくてちょっと苦いというか……この苦味が五条のいう呪いに繋がる歪みなのかなあ……みたいな。一筋縄じゃいかない幸せだらけの世界って感じでしたね。

 

印象に残っているのは美々子と菜々子⇔夏油の形ですね。「夏油さんが言えば黒も白だし白も黒だ」これ、たしかに善悪の区別がつかない子供の身に着ける思想として馬鹿みたいに危険じゃないですか。

これで夏油が最初から最後までヤバい宗教の教祖だったら高専側に全面加担できるのに、なーんか悪意があったわけじゃなさそうだって数秒の過去回想でめちゃくちゃわかっちゃうんですよね。

ああこの男、自分と同じ呪術師を慈しみたかっただけかも。って思うし、彼女たちも、自分を助けてくれた人の願いが叶ったら嬉しいに決まってる。ともすればただの家族愛だけど、いや、巻き込む規模~~~………ってなる。めちゃくちゃに歪み感じたポイント。

 

ってか、そもそも劇中で一番「歪んだ愛情」であり「呪い」を持ってたの、どう考えても夏油傑じゃなかったでしょうか?!

乙骨は里香ちゃんにだけ愛を込め呪った(し、最後夏油と戦う時もそんな感じの話をする)けど、夏油は下手すると呪術師という“存在”を愛したいあまりアレになった気がしたんですけど……五条お前、あのセリフ、夏油見て思ったことだったんじゃないのか?! 教えてくれ………

っていうか夏油、全体的に愛し方が下手くそ過ぎる………不器用なんですか? 知らんけど……一周回ってお前が愛しいな…………(誰?)

夏油がどういう過程を経て人間を庇護対象から殺害対象にしてしまったのかはあんまり映画では見えなかったけど、なんか……呪術師を守りたかっただけのような気がしてきちゃって……最後五条が「お前は未来ある呪術師を潰すことはないだろうから信じた」って言った時、「なんでこのふたりここまで捻じれたんだ?!?!?!?!」って暴れかけてしまった。

夏油の与える、呪術師への下手かつ強すぎる愛情を五条はすごく丁寧に理解して受け止めているような気がしたんですけど……実は先に手を離したのは五条だったりするのか?! 夏油の中に生じる苦悩や葛藤、羨望、そういうのを五条が受け止めるのに時間がかかり過ぎちゃったのか?! 端々に本編読めの圧を感じつつ、乙骨と里香ちゃんと並行してよくここまで繊細に二人の愛の形も描写できたな……すげえな……おかげでオタク一晩哲学しとるわ………

 

もはや夏油に比べたら乙骨の歪みとか赤ちゃんじゃん………えっむしろ歪んでる? 呪いをかけた理由が「死なないでほしかった」なの、最高に可愛くない?

いや可愛くはないか………(我に返るオタク)

里香の穏やかな死後の歩みを歪めておきながら、力の使い方がわからず自分のことも里香のことも苦しめてまったくお前はよ……でもそういう情けない男の成長からしか得られない栄養素あるじゃないですか。それいっぱい浴びました。(小学生?)

決して里香ちゃんに「消えてくれ」と言わなかったところが、自分が消えようとしたところが、乙骨は呪っても呪われても変わらず里香ちゃんを愛していたんだよな……と思って。誰も傷つけたくないのは、里香ちゃんに誰も傷つけてほしくないのも含まれていたんですよね。多分……愛は人を弱くも強くもするってことが乙骨の戦い方からひしと伝わってくるような、そんな気分でした。

高専に入って、自分以外にも呪いと向き合って自分を救おう、愛そうと奮い立つ同級生に出会えたことで、里香ちゃんとの関係を前向きに考えられるようになって本当に良かったなって気持ち。

だって里香ちゃん、絶対好きな男の子の力になりたいだけだもの。怖がられたら悲しい。好きな子には笑っててほしいし、幸せになってほしいよね。嫉妬もしちゃうけど、大事な友達を守ろうとする彼の決意に応えられたのはめちゃくちゃ嬉しかっただろうなと思います。最期の笑顔からの花澤香菜ボイスの遺言泣かない人類おる? ズルじゃん……お前そういうの、反則……なった………

消えゆく彼女の気も空も明るいとこも良かったですよね。「――純愛だ」で全オタクが消し飛びました。 

オイオイオイ自分でそれ言っちゃうん?!?! ッカァーーー!!!!!!!(劇場で爆発するオタク)

でもたしかに彼女の力を覚醒させた乙骨の中には濁りはなかったよな……純な愛だけで戦ってた……最高……

成長した乙骨………控えめに言って結婚してくれ……………って感じだったんですけど、呼吸を止めて一秒あなた真剣な目をしたから4000越える呪物吸い込むの星屑失恋ロンリネス……………なんだよな……(何言ってますか?)

 

ふたりには絶対あの世で幸せになってほしいと共に、乙骨くんは一応呪いに優秀な家系だから里香ちゃんがいなくても呪術師の素質はあるままなのかな? まだ高専にいるのかな? 最後五条に呼ばれてたのはなんなのかな? と、謎も多かったので原作を読むしかないんだろうなという気持ちです。乙骨くんが本編にどう絡んでるのかすごく気になる!! 

いい子か不器用しか出てこないので、なおのこと愛の形がはっきり歪むな~って感じです。めちゃくちゃ面白かった……濃かった………原作知らなくても楽しかった~!! 素敵な作品をありがとうございました。

 

狗巻棘すき。