からしれんこん

クソ腐女子オタクの雑記。パーソナルなことはnoteで https://note.com/yu_kazokku 

友人が315プロのファンになった

 

私と友人が出会ったのは5年前、2014年の11月のことだ。当時好きだった、あるゲーム実況者のイベントでたまたま隣になった。

イベント会場は大阪。しかし私は東京から、友人は新潟から参加していた。

私「どこから来たんですか?」

友人「新潟から……」

「えっ遠っ?!」

友人「大阪の人ですか?」

私「いや、東京です」

友人「えっ遠っ?!」

と、お互い「そっちの方が遠いじゃないですか〜」みたいな、ミサワのような謙遜をし合ったことがつい昨日のように思い出せる。

 

そんな運命的な出会いをした二人もお互い歳をとり、酒を飲めるようになり、友人は一足先に社会の歯車になった。

彼女はここ一年ぐらい「何にものめり込めない」「ゲームしたり実況見るのは楽しいけど、これだ!って感じの前のめりにハマれるものがない」と会話するたびこぼしており、仕事も辛そうであった。

その度に私はこう返していたのだ。

 

「人生の光になる、オススメのコンテンツがあるんですよ――」

 

◆◆◆

「え、宗教勧誘?」

 

当初友人はこう言ってきた。し、自分でも言っててちょっと宗教じみているな……と思うわけだが、実際光なのだから仕方ない。アイドルis光。幸せの権化。

みんないいって言ってます。怪しくないんです(?)

友人は当然のごとく苦笑いだった。しかし同時にとても優しいので、いつでも私の話を無碍にせず聞いてくれるのだった。私は彼女へ日々大河タケルの話をし、ガチャで金を溶かし上位で金を溶かし、目まぐるしくも楽しく人生を過ごしていた。友人の中の315プロは、この頃は9割虎牙道でできていただろう。

 

そうして今から10ヶ月ほど前、2月の頭のこと。私が「一人で見たら倒れるから介護してくれ」と頼み、3rd仙台の観賞会をした。

あわよくば宣伝のひとつでもしてやろうと意気込んでいたが、結論から言うと本当にただの介護となった。私はタケルのソロが終わった後破茶滅茶に泣いていた。あれ見てまともな精神でいろって方が無茶じゃない?

けれど、友人が最後の勇敢でふと呟いたのを聞き逃さなかったのである。

 

「このユニットいいね。私、この人の笑顔好きだな」

 

これが、彼女が315プロもといFRAMEを初めて認識したときだ。

この時の私は、単純に好きなものをいいと言ってもらった嬉しさと、夜神月よろしく「計画通り……!」とニチャりたい思いが混在し変な顔をしていたと思う。

ちなみに笑顔が好きだと言ったのは信玄役の増元さんだった。

 

というのも、友人は特撮が好きだ。さらには目つきの悪い自己犠牲の念が強い兄属性のキャラクターにめっぽう弱い。

握野英雄アピール特攻5倍みたいな女なのだ。私は、彼女がsideMに引っかかるならFRAMEだと信じて疑っていなかった。だから尚更、先の言葉が嬉しかった。

せやろ。せやろ?? わかる。お前はFRAMEだよな……と、ちょっと嫌味な上司のようなムーブで急に元気を取り戻していたように思う。ジェットコースターもびっくりの情緒に友人は困惑していただろう。本当に申し訳ない。

「え、sideM始める???」と半ば冗談のような感じで圧をかけてみたが、乗ってはくれなかった。

 

◆◆◆

それから半年ほどが過ぎた。夏の本番が迫る7月の末だ。ラブホテルで女子会をする運びとなり、私はグリツアを持って行った。

LINEを遡ったら「宗教勧誘していい?」と自ら口にしていた。頭がイカれている。

その時はカフェパレが気になっている友人も一緒だったので、私は迷わず大阪公演を見せた。

彼女は『勇敢なる君へ』が気に入ったようで、間奏の敬礼が胸に響いたらしく「ウッ……」とリアルなうめき声をあげていた。のが風呂場にまで聞こえてきた。

シャワーを浴びていた私は大笑いしたものだ。風呂場を飛び出て、顔が崩れた友人に嬉々として語り掛けた。

私「どうよ!?」

友人「死んだ……」

私「わかる~~!!!」

偏差値が2しかないプロデューサーなので、尊さを受け取るムーブに対し大声で頷くしかできなかった。吾輩はオタクである、プレゼン力はまだない。

 

◆◆◆

友人は、ソシャゲというものが心底苦手だ。

どれくらい苦手かというと、何もせずともメインストーリーが読めるようになったアイドリッシュセブンを3日でリタイアしている。デレステも一瞬始めたがすぐ手をつけなくなった。唯一続いているのが艦隊これくしょんで、自分で編成を考え出陣させるのが楽しいからこれは続いたのだという。なお、類似の刀剣乱舞は作業色が強くて断念している。

私は確信さえしていた。この女にモバゲーなどやらせたら苦痛で爆発する。

 

だから、途中からゲームに必死に勧誘することをやめた。

 

私もライブ映像からのPだから何か通ずるものがあったのかもしれないが、sideMのライブってのはとにかくすごい。何がすごいのかをはっきり語ることはできないのだが、もう、すっごい。すっごい元気を貰える。

他のコンテンツのライブなるものを全く知らないから迂闊なことは言えないが、アイドルたちがたしかにそこに存在しているし、存在するように動いてくださる。

何と表現するのが正しいかわからないが、映像を見ていて瞳が光るというか……彼らが与えてくれる煌めきが映る瞬間っていうのがあると私は信じているのだけれど、先の女子会で友人にそれを見た。友人は確かにあの瞬間FRAMEから元気を貰い、アイドルたちから輝きを受け取っていた。そして私よろしく膝を弱めていた。

 

私はそれが、なんだかすごく幸せなことに思えた。

 

当初私の宗教勧誘(じみた発言)に首を傾げていた、その友人がまさに彼らアイドルから光を貰っている。こんな楽しいことはない。ゲームをやっていないゆえプロデューサーではないけれど、プロデューサーでない人達にも、彼らはたしかに光足りえるのだなと。素敵なパフォーマンスをしてくださる声優さんたちと、さらに第三者に近い彼女を通して「自分の担当も実際に向こうでこういう風に、誰かを元気にしているのかもなあ」と思った。素直に嬉しかった。

sideMに人生を救われた人は多いと聞くが、疲れた人にこそ効くのは本当なのかもしれない。そう、友人を見ていてぼんやり思った。 

そして一度光を見たら、それからが早いこともよく知っていた。だって私がそうだったから。

5年の仲というものは、良くも悪くもお互いを知り尽くしているなと今更振り返る。

それからというもの、私は引き続きFRAME中心にライブのダイジェスト動画やゲームのカード画像などを送りまくった。SLも自腹を切って送った。

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これは怪しい。

彼女の食い付きは以前の315倍ほどになっていた。コンテンツに急速に沼落ちしていく友人ほど面白いものはないと、普段沼落ちする側の自分が初めて体感できた。ありがとうな友人。

運転する英雄のオフショットを見て「無理では?」と溢していた時、静岡のダイジェストを見ながら「傘やばくない?」と溢していた時……思い出すだけでにやけてしまうが、じわじわと彼女はこちら側の人間になってきていた。わかる。

 

なお、「キャラの画像と声優さんの顔が一致しない」と言われたので、4thで声優さんたちがあげていたユニット集合写真をかき集め、ユニット名、声優さんの名前、アイドル名、アイドルの顔、アイドルの元職をすべて一枚の画像にまとめたものを15ユニット46人分つくった。2日足らずでつくった。

ちなみに虎牙道PなのにFRAMEのダイマ画像までつくった。LINEカメラは万能だし、友人以上に私も気が触れていたのだった。

だって……ねえ……好きなものに興味もってもらえたら嬉しいじゃないですか……

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その時作ったうちの1枚。LINEカメラは万能。

ちなみに友人は、これらの画像をグーグルドライブで管理して都度拝見していたらしい。それも面白いのだが、今ではそれを見ずとも全員完全に一致している。脅威の成長である。

 

◆◆◆

友人「気づいたんだけど」

私「ええ」

友人「私、FRAME気になり出してからハマれるものがない……って溢してないんだわ」

私「あっ」

夏が終わる頃、出張でこっちに来ていた友人に大江戸温泉でそう言われた。散々勧誘しておいて、私も気づいていなかった。

FRAMEは疲れに確かに効いた。いつかガンにも効くようになるかもしれない。

とまあふざけるのも大概にするが、実際、友人はリアルの知り合いにも「久しぶりに会ったけど前より元気そう」なんて言われたそうだ。アイドルってすごい。何より、前より精神が健康なのは友人としても嬉しくいいことである。

 

「こう……君の当たり前の世界って、彼らが前職で守ってきたものなわけじゃん? 今度はアイドルとして側に寄り添う形でその一部になりたいって歌ってくれるの、エモすぎじゃない……?」

「私より感想を述べるのが上手いのやめてくれない?」

 

そんなこんなで先日、10ヶ月弱の時を越えて再び仙台の鑑賞会を友人と開いた。プロミも持って行った。別名は「らぶきゅと葉っぱと月で刺し合う会」だった。物騒極まりない。

友人はデートの際、ポケモンのクッションを抱えそのしっぽを振り回し精神を整えようとしていた。それを見て私は笑った。

私はムンナイで倒れ、友人宅のリモコンを踏んずけてテレビのチャンネルを変えた。友人に笑われた。

似てきているな……?

類は友を呼ぶとはこういうことなのかもしれない。だから私は友人が大好きだ。

 

 

冬のボーナスが入り次第、友人は静岡の円盤をポチるのだという。

光はどこまでも彼女を照らす。私はそれを見て、プロデューサーとしてもコンテンツのファンとしても嬉しくなる。

 

もしかしたら、彼女は一生ファンのままかもしれない。

もっとアイドルのことを知ってほしい!ゲームやってほしい!という気持ちは捨てきれないが、今はただ、映像という形で彼らに輝きを貰って元気になっている彼女をニコニコと見守っていたいと思う。そして5thで、一緒にFRAMEを呼びたい。

彼女は彼らを実際にその目で見た時、どんな光を受け取ってどんな感動を得るのだろう。私はそれが、プロデューサーとしてもコンテンツのファンとしてもすごく気になっている。